【レビュー】バイバ・スクリデの無伴奏ソロアルバム
1.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
2.イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調Op27-1
3.バルトーク:無伴奏ヴァイオリンソナタ
演奏:バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
「ゴロウ日記」で最新情報が逐一伝えられていた「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ですが、きょう最終結果が発表され、ゴロウ氏が5つ星評価で「星72個」(笑)を与えたセルゲイ・ハチャトゥリアン氏が結局第1位となりました。ハチャトゥリアンといえばもう何度も来日していているので個人的には「あれっ、コンクールまだ出てるの?」という感覚でしたが、それにしても第1位とは素晴らしいですね。
このコンクールは「ヴァイオリン→作曲→ピアノ→声楽」と4年毎に部門を変えて行うのが特徴なのですが、4年前の同コンクール、つまり前回のヴァイオリン部門で第1位を取ったのが、ここでご紹介するラトビア出身のバイバ・スクリデです。
彼女の音色は刺々しさがなく滑らかで丸みを帯びていて、(実際女性だからそういうのではないのですが)女性的な「優しさ」があると思います。音の出し方も1音づつ丁寧で、濁った響きを伴うこともありません。音楽の造形も危なげないもので、全体的に優美な雰囲気でまとめられています。特にTrack 3(サラバンド)にそれを感じます。
ただ曲目リストに並んだ3曲から私が期待するのは「ピンと張りつめた緊張感」をもった「激しい演奏」なので、そんな曲想とスクリデの個性とが合致していたのかというとやや頭の中で疑問符が浮かんでしまいます。ただ最近のヴァイオリニストからはなかなか聴くことのできない柔らかい音色をもっているので、そんな彼女の特徴が生きる曲(ブラームスとか、案外フランクも…)でまた聴いてみたいです。既にネーメ&パーヴォのヤルヴィ親子を始めとする有名アーティストとも共演しているので、これから露出の機会が増えてくるかもしれません。
(Sony Classical, SK 92938, SACD(2.0ch)/CD-DA Hybrid)
(参考)
Sony Classical-BAIBA SKRIDE Official Site
Baiba Skride - Biography
Google Image - Baiba Skride←まあ「お約束」ということで(笑)。
ググって拾った写真の中で私はこの写真(下)がなかなか良いと思いました。それから上の3つのうち真ん中のリンク先にある写真もオススメ。
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