最近聴いたアルバムから3つを
ピュアなクラシック以外の音楽レコードから面白かったものを3つ紹介させて頂きます。
●「TUDO É COISA MUSICAL」Vocalise
女性2人、男性3人のブラジルのヴォーカル・グループ「ヴォカリーズ」(Vocalise)(→公式サイト)のアルバム。ヴォーカル・グループは数あれど、サンバ、ラテン・ジャズなどのブラジリアン・テイストのサウンドに乗っかるハーモニーは新鮮。個々の声の質も爽やかで聴いていて耳に心地よい。CD大の円い缶で出来たケースなど、パッケージングも凝っている。
(このCDは「today's frontier」にご教示頂きました)
●「True Love Waits」(クリストファー・オライリー・プレイズ・レディオヘッド)
ここで取り上げられているレディオヘッドの作品はどれも私にとっては初耳だったが、最後まで一通り聴いて感じたのは、彼らの作品はロックとしては破格なんじゃないかなぁということ。減三和音や増三和音など、この手の音楽ではあまり使われることのないような和音が結構出てきて、これがピアノ・ソロだとそんな音の流れが強調されるのだ。ピアノのオライリー自身によるアレンジは充分にピアニスティックで、なかなかの本格的ピアノピースとして仕上がっていた。少し子難しいことも書いてしまったけど、このCDは余計なことを考えず流麗なピアノ・サウンドに没入する、という聴き方も可能。
(Sony, SK 87321, ASIN:B00009MGQ4)
●「戦争は終わった」夏木マリ
小西康陽の手による一連の作品を私のような素人がカラオケで歌ったりすると、歌ってもサマにならないというか、イマイチ冴えない感じになってしまう、これには抑揚に欠け、繰り言のように一本調子なメロディラインにも一因があると思うが、そんな扱いにくい小西メロティを夏木マリが歌うと、まるで紅茶にブランデーを入れたときのようにぐっと奥行きと味わいが増し、ソングとしての存在感と真実味にあふれる世界を作り出してしまう。これは彼女の歌唱力を聴くCDでしょう。
都会の女性の内面と孤独を歌った小西作品の中でものすごく異彩を放つ武満徹の「死んだ男の残したものは」だが、こうやって聴くと(リアルな戦争体験というより)街の喧噪の中で誰にも気づかれずに死んでいった人々へのトンボー(追悼歌)に聞こえてしまう。
(レディメイド・インターナショナル, RMCA-1015,ASIN:B0007INYUS)
(このCDは「One Way To The Heaven」にご教示頂きました)
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Comments
こんばんは。
カラオケボックスで「大都会交響楽」を歌ったとき、贅沢なサウンドと貧相な私の歌声とのあまりのギャップに驚いて最後まで歌い遂げることが出来なかった「坂本くん」です(苦笑)。小西康陽の曲を歌う歌手って夏木マリだけでなく、ちゃんとしたパーソナリティを持った人が多いんですよね。「きみになりたい。」なんかを聴くとその感を強くします。
武満の曲を入れるように提案したのはおそらく夏木マリでしょうが、武満作品をまとめて彼女の声で聴いてみたくなりました。
Posted by: 「坂本くん」 | 2005.04.14 00:29
トラバありがとうございます。小西康陽の曲は、本当にカラオケでは歌いづらいものばっかりですね。
夏木マリの歌唱力はたいしたものだと思います。
武満の曲はまさに選曲の妙。うまく曲の持つ別の側面を浮き彫りにしていると思います。
Posted by: 風来坊 | 2005.04.13 22:39
はじめまして。いつも貴方のサイトをチェックさせて頂いております、管理人の「坂本くん」です。VocaliseのCDはhmv.co.jpで入手しました。今通勤の車の中でヘビーローテーション中です(笑)。私の方こそ本当に良いものを教えて頂いて感謝しております。
Posted by: 「坂本くん」 | 2005.04.13 19:38
おかかさん。
はじめまして&トラバありがとうございます。
でもでも…VocaliseのCDってどこで入手されたのですか?日本でもう入手可能?
どこから私のBlogに辿りついたのですか?
ともかく気に入っていただけたようで何よりです。紹介した私もうれしいです!
どぞよろしくお願いします~。
Posted by: sh2o | 2005.04.13 11:50