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2005.04.25

「指揮者vs楽団員」の対立がオレゴンでも

 オレゴン交響楽団の首席ソロ・フルート奏者のDawn Weiss氏は去年の秋に同楽団の音楽監督のカルロス・カルマーから手紙を受け取りました。その手紙には彼女に対するカルマー氏の不満が6つ書かれていました。その6つとは

1.吹き間違い
2.ピッチが不正確
3.リーダーシップの欠如
4.フレーズにムラがある
5.リハでの調子を実演で発揮してくれない
6.浮ついていて不快な音色

というものです。手紙にはこれらを改めなければ今年のシーズン終了後に契約更改をしないことも記されていました。

 Weiss氏は1980年にカルマーの前任者であるジェームス・デプリーストによって首席のポストを得たのですが、彼女はその地位を守るためにプライドを捨てて音楽の改善に取りかかりました。彼女はまず楽器を替え、フルートの音のスペシャリストのトレーニングを受けて、フルートを吹くときの姿勢や唄口(うたくち:口が当たる部分)に当てる口の位置を変えました。それからピアニストからイントネーションの訓練を受け、更には食事にも気を遣い、フィジカルトレーニングを行い、ヨガレッスンにも通いました。これら総額1万2千ドルにも及ぶトレーニングにも拘わらず、今年4月に彼女は契約延長しないことを楽団から告げられました。これを不満に感じた彼女は(規則違反と知りつつも)この一件をマスコミに公表することにしました。その結果がこの記事(英語)というわけです。彼女はこの件について楽団に対して異議申し立てを行うことも検討しているそうです。
 しかし今回の件もそうですし、以前当ダイアリーでも触れたトロント響の事件もそうですが、トップに立つ指揮者が自分の思い通りに楽団員の人事を決めることは難しい時代になったようですね。その一方で人事権を制限された21世紀の音楽監督は強力なリーダーシップを発揮することは可能なのか、という思いも強いです。最近のスカラ座のニュースを見ると尚更そう思います。

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