文句を言うなら見てからにしろ
ボリショイ・オペラで今月下旬に上演される新作「The Children of Rosenthal」について、ロシア芸術の最高機関で上演するのにふさわしいかどうか調査すべきだ、という提案が3/2(水)にロシア連邦議会で出され、この提案は226対12で可決されました。2週間以内にこれに関するレポートが議会に提出されます。この新作の台本作者Vladimir Sorokinは以前にも「Blue Lard」という作品で「スターリンとフルシチョフはホモだ」という設定が議論を呼んだそうです。今回の新作は旧ソ連の科学者(「ファシストの生物学者」という記載もあるが?)が自分の楽しみのためにワーグナー、チャイコフスキー、モーツァルト、ムソルグスキー、ヴェルディのクローン人間を作ってしまうという内容ですが、他に売春婦や「ぽん引き」も登場するということで、スキャンダルの再燃を懸念して今回の動きとなったようです。調査にあたるSergei Neverov氏は「まだこの新作の台本を見たわけではない」ということですが「ロシアの文化のシンボルである劇場でのSorokinの下品な芝居の上演は止めさせるべきだ」「上演すればこのポルノグラフィーはロシア中で論争になるだろう」と話しています。
まあ議会で上演云々について議論することの是非はともかく(もし新国立劇場で天皇制を批判する内容の新作オペラが上演されても、同じようなことが日本の国会なら起こらない、と誰が断言することができるでしょう)、これだけは言いたい。
文句を言うなら見てからにしろ!
(参考)
Guardian. Bolshoi embroiled in row over 'pornographic' opera (March 4, 2005)
Andante. Bolshoi Theater Complains of Censorship as Duma Prepares to 'Verify Morality' of Avant-Garde Opera. (March 4, 2005)
PlaybillArts. Russian Parliament Orders Investigation of 'Pornographic' Bolshoi Opera (March 4, 2005)
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