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2005.03.21

白鳥をテリーヌにする男

イギリスを代表する作曲家で「MASTER OF THE QUEEN'S MUSIC」の立場にあるサー・ピーター・マックスウェル・デイヴィス(70)が警察の事情聴取を受けました。罰金などの処罰の可能性もあり、まさに一大事ですが、彼の容疑は一風変わったものでした。

サー・ピーターはある日オークニー諸島の自宅の近くで高圧線に引っかかり感電死したオオハクチョウを見つけました。彼は発見後すぐに英国鳥類保護協会に通報すると、「死体は廃棄するように」という指示を受けたのですが、その白鳥をゴミ箱に捨てることはしませんでした。彼は以前食べた白鳥のテリーヌが美味だったことを思い出し、ムネ肉とモモ肉を利用して料理することにしたのです。捌いたあとの白鳥の骨は庭にある小屋の軒先に吊しておいたのですが、それを見つけた地元警察が保護動物の死体を保管した容疑で自宅を捜索し、白鳥の骨と羽根の部分は証拠品として押収されました。サー・ピーターの話を聞いてみましょう;
「月曜日の朝にすごく魅力的な若い男性警官(※1)が、これまた美人の婦人警官を伴って自宅にやってきました。彼らは保護動物の死体の所持は違法だと告発しに来たのですが、私はとりあえずコーヒーを勧めました。そして『もしよろしければ白鳥のテリーヌいかがですか?』と尋ねたのですが、今から考えるとその一言が良くなかったのでしょう」「彼らは『あなたの発言は全て証拠として採用する』と告げました。おそらく私はバッキンガム宮殿からお呼びが掛かるでしょう。今は私がロンドン塔に繋がれないことを祈っています」
 彼がロンドン塔へ拘留されることは現在はあり得ませんが(笑)、彼が実際に有罪となるかどうかについては法律学的な議論が必要です。実はサー・ピーターが居住するオークニー諸島には1200年頃に制定された「ウダル法(Udal Law)」というものがあり、この地区では「白鳥は島民の所有物で、食べても良い」ことになっていました。しかも「小人閑居」によると、1910年に白鳥を食べた男がウダル法によって無罪となったという判例があるそうです。しかし1981年に英国では新たに「The Wildlife and Countryside Act」なる野生動物保護法が制定され、そこには「全ての白鳥は保護の対象になる」と明記されているので、今回の件でもウダル法が適用されるかどうかは微妙です。
 サー・ピーターもその辺りについては理解しているようで、「ある意味刑務所に入るのもいいかもしれない。経験が面白い音楽を生むこともあるかもしれないし」と強気(?)のコメントを残しています。
(参考)
BBC NEWS. Police swan find hits wrong note (March 18, 2005)
Times Online. Composer may do bird for eating swan (March 19, 2005)

(※1)サー・ピーターの性的嗜好についてはこちらのサイトをご参照下さい。

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Comments

こんにちは。オリジナルのBBCの記事で「a very charming young man」て書いてあるのを見て咄嗟に山尾様のサイトのあの記事を思い出したもので…。すみませんでした(笑)。
それにしても記事を読めば読むほどサー・ピーターは独特のキャラクターの持ち主だなぁという感を強くしましたが、そんな人物を王室が重用する、というのも英国らしくて、わたしはそんなUKが大好きなのです(笑)。
私もこの事件の行方を見守りたいと思います。

Posted by: 「坂本くん」 | 2005.03.21 at 17:32

こちらのサイト・・・・って、うちっすか。笑。
それはともかく、このニュースは初めて知りました。まああの人は、お世辞にも文明の地とは言えないようなところに、好きこのんで長年住んでいた人ですから、中央集権的な法律とは意見が相容れないことも多いと思います。笑。でも、こういうことが起きたからといって、王室付きの作曲家の地位を剥奪されない(おそらく)のも、あそこの国のおもしろいところです。
動向を見守りましょう。

Posted by: 山尾 | 2005.03.21 at 17:04

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