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2005.02.18

カエターニ イングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督に

 現在メルボルン交響楽団の首席指揮者を務めているオレグ・カエターニ(47)が来シーズンからイングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)の音楽監督に就任することが発表されました(ソース:英語)。
 カエターニはこのオペラハウスとの仕事はこれまで一度しかない(2003年の「ホヴァンシチナ」)のですが「そのときのことはものすごく印象に残っています。それがこのような結果に結びついたのだと思います」と本人は語っています。ENOの芸術監督のSean Doranも「彼は歌劇場で25年間経験を積んでますから」と信頼を寄せています。

 日本にもファンの多いカエターニの音楽都市ロンドンへの進出は喜ばしいことですが、地元での彼に注がれる視線には厳しいものもあるようです。ENOはイギリス音楽に対し熱心で、ヴェルディやワーグナーも英語で上演するという点で独自色の強いオペラハウスなのですが、こんなENOにイギリスでの歌劇場の経験のない指揮者で大丈夫か、と厳しい見方をする音楽評論家もいたりします。
 それ以上に問題なのはENO自体のお家事情です。ENOは財政危機と約2割の人員カットを経て現在経営再建中なのですが、この7月にENOを離れる現職のポール・ダニエルは「彼はオペラハウスがどういうものか理解している」とカエターニを擁護しつつも「私はこの歌劇場の縮小問題に関してはずっと戦ってきました。彼には戦いはまだ終わっていないと言いたいですね。ここの根幹に関わることや、ここの規模が将来どうなるのかといったことはまだ決着が着いていないのです」と忠告を忘れません。
 今回の音楽監督のポストは実はアメリカ人のアンドリュー・リットンとの争いだったのですが、今回の選考をよく知る関係者は「安全で温厚な男と、エキサイティングな演奏をする男との二者択一になりました。まあ安全で温厚な男とは組織をうまくやっていけないでしょう」と証言しています。正直どっちがどっちなのかソースには明記されてませんが、カエターニの日本での評判を聞くと、まあ想像がつくところです。
 ともかくカエターニには幾多の困難にもめげることなくその手腕を遺憾なく発揮して欲しいですね。ちなみに上記ソースではカエターニの父親のことには全く触れてませんでしたね。まあこれについては特に意味はないと思いますが。
(追記)「Gramophone」誌(電子版)でも記事が出ました。こちらの方はずっと好意的ですね。ENOの初お目見えはヴォーン=ウィリアムスの「恋するサー・ジョン」と書いてあります。

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