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2005.01.06

労使交渉リターンズ

 アメリカのメジャーオケの労使交渉がまとまってホッとしたのもつかの間、新春早々穏やかでないニュースが飛び込んできました。レナード・スラットキン時代「ビッグ5」と肩を並べるまでに急成長したセントルイス交響楽団の労使交渉が決裂し、今週末の7日と8日に予定されていたコンサートが中止に追い込まれました。今のところ労使間で新たな交渉の予定はないとのことで、これが今後のスケジュールや楽団運営にどう影響するか、予断を許さない情勢です。

slso-piket セントルイス響といえば、2000年には破産の危機にに直面し、その危機を何とか乗り切ったと思ったらスラットキンの後任の音楽監督だったハンス・フォンク氏が急逝したりと災難続きのオケです。財政危機の時期に労使間は8%の賃金カットで合意したのですが、今回の交渉で経営者側は更なる賃金カットを提案しました、組合側は「財政危機以後は寄付金が4倍以上(現在7600万ドル)になっている。今後寄付の金額が当初の見込み以上になればその分を賃金アップに回して欲しい」と訴えましたが、その提案は結局盛り込まれず、新契約案は組合側の投票で85対3の圧倒的多数で否決されてしまいました。経営者側がこの4日(現地時間)に「サンデー・コンサート中止」を発表した頃、団員たちは本拠地のハウエル・ホールの周囲を楽器を鳴らしながらデモ行進して気勢を上げました(写真)。
 この余波はオケ関係者以外にも及んでいます。同楽団のコントラバス奏者とホルン奏者のオーディションに応募した33人の演奏家は「交渉がまとまるまでオーディションは行わない」と聞かされて途方に暮れています。3日の朝、オーディション会場にやってきた参加者たちは現地で初めて中止の知らせを聞き、その中の一人は「(そのときは)みんな狐につつまれたような顔をして立ちつくしていた」といいます。イタリアから参加したホルン奏者は「(後任の指揮者の)デイヴィット・ロバートソンに憧れてやってきました。彼の前で吹くのを楽しみにしていたのですが…」と嘆いています。無駄足を踏んだ格好になった彼らの旅費はオケ側が負担することになるだろうということですが、ともあれオーディション参加者にはとんだとばっちりでしたね。

(ソース)
1.STLtoday. Symphony musicians reject offer (January 3, 2005)
2.New York Times. Labor Dispute Halts Music in St. Louis (January 4, 2005)
3.STLtoday. Symphony cancels weekend concerts (January 4, 2005)
4.New York Times. Labor Dispute Frustrates Orchestra Hopefuls (January 5, 2005)

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Tracked on 2005.01.07 at 00:57

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