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2005.01.05

【レビュー】Coco d’Or Parfait

hiro-coco

 (曲目の詳細は公式サイトをご覧下さい。)
水森亜土さんのイラストが目印の「Coco d'Or」のアルバム。初発時はCCCDでしたがCD店の視聴機で耳にして以来ずっと「早くCD-DAになあれ」と念をエイベックスに送った(笑)甲斐あって、2005年の元旦に晴れてCD-DA化されました。これで心おきなく自宅や車内で思う存分hiroの伸びやかな歌声に浸ることができます。

 hiro(島袋寛子)のヴォーカリストとしてのポテンシャルの高さは「SPEED」時代から際だっていました。その頃オリコンチャートを賑わせた歌手には高い声の持ち主はたくさんいましたが、彼女はパワフルかつ突き抜けるような声質で他を圧倒していました。それは「Body & Soul」や「Go!Go!Heaven」などのシングルの楽曲でも窺い知ることができるのですが、テレビの歌番組などで時折聴かせてくれるソロなどでSPEEDの楽曲では使われないような(というか他の3人が出せないような!?)超高音を楽々と歌いこなす様にただただ驚いた記憶があります。
 かといって追っかけをするほどのファンでもなかった私はSPEEDが解散して以降はそれほど彼女の存在に気を留めずにいました。時々テレビでは見かけるものの楽曲、プロモーションや衣装まで「普通らしさ」を演出していて、そんな没個性的なキャラクターに魅力を感じることはありませんでした。そんな中「Coco d'Or」名義で突然ジャズのスタンダード込みのカヴァー集をリリースしたと知って軽く驚き、そして実際に聴いてみてまた驚いたと、まあそういうわけです。
 彼女の声の魅力が存分に発揮されているのは「Spain」(Track 15)ではないでしょうか。この声の輝きに「若さはじける」という陳腐な表現しか思いつかない私を許して欲しいのですが(笑)、それにしてもこのチック・コリア作の名曲を伸びやかで開放的な歌声で聴かせてくれるのはなかなか他では無いんじゃないでしょうか。それから「オレンジ色の空(Orange Colored Sky)」(Track 13)。私はこの曲をナット・キング・コールの歌唱で慣れ親しんでいるのですが、それと比較して模倣を感じない程に完全に彼女のオリジナルのスタイルで歌い上げているのはさすがです。「バードランドの子守歌」「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」「サマータイム」などのスタンダードものでは、肩の力が抜けた感じでナチュラルに歌っていますが、それでもこれだけ余裕を持って歌い上げるのは大したもので、風格というか貫禄すら感じられます。
 この企画については「こういうのって五十過ぎのベテラン歌手がやる仕事なんじゃあないの?」という思いもあります。付録のDVDでの健康的なhiroの姿態と楽曲とのミスマッチを見るとそんな気分にさせられますが、その一方で「Spain」は今のhiroが歌ったからこそ楽しめたという面もあるわけで、全体的に彼女の声の魅力を十二分に味わうことのできる好企画だと思います。こういう異種格闘技的カヴァー集で「うまくハマった」と個人的に感じさせてくれたのは美空ひばりの山田耕筰歌曲集(ASIN:B00005EMCB,現在廃盤)以来です。
(エイベックス/SONICGROOVE; AVCD-16055/B,ASIN:B0006M188U)

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