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2004.09.07

【レビュー】ヤコブ・クライン チェロと通奏低音のためのソナタ

KleinSonata.jpeg
(演奏)
クリスティアン・フォン・デア・ゴルツ(バロック・チェロ)
ヒレ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リー・サンタナ(バロック・リュート)

 最近はネットでの評判をCD購入の参考にすることが多く、事前情報が何にもなく、ジャケットに書いてあるアーティストの名前を見てもピンとこないようなCDを「エイヤッ」と衝動買いすることはこの何年か無かったのですが、このあいだお店に行ったときついこのチェロ弓のジャケットのCDが目に付いてしまい「何かチェロのCDみたい。クラインって聴いたこと無い名前の作曲家だけど、とりあえず聴いてみよう」と買ってしまったこのCD、買って正解でした。いいですこれ。
 同封ブックレットによるとヤコブ・クライン(Jacob Klein)は1688年生まれで1748年没のオランダで活躍したチェリスト兼作曲家。この曲の楽譜はほんの2,3年前にどこかの蔵書からオランダ人の音楽学者によって発見されたばかりということで、このCDが当然ながら世界初録音。レコード会社のサイトのインフォメーション(英語)には「ロカテルリの影響が明らか」みたいに書いてあります。私は浅学なのでそのあたりのことははっきりと判りませんが、バロック時代の様式で書かれた作品群、ということは理解できます。チェロのソロパートはかなりの難技巧が要求されていて、華麗なチェロの妙技を楽しむことを意図した作品といえます。チェロ・ソロの華やかな走句は同時代人のヴィヴァルディのチェロソナタとは異なるムードを醸し出しています。それとともに短調の曲ではマラン・マレのヴィオール曲集のような哀愁も感じさせてくれます。ファン・デル・ゴルツのチェロは技術も高く表現力も優れていて、聴いていて引き込まれます。バロック時代のチェロ作品にこのクラインのソナタのような雰囲気の曲があまりなかったので、なかなか新鮮な気持ちで最後まで聴くことができました。このCDによってまた新しいチェロのレパートリーを知ることができ嬉しく思います。録音も優秀。
(Raumklang RK 2204;ASIN:B00022XOBS)

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