労使交渉・フロム・カナダ
(写真)モントリオール響の本拠地 サル・ウィルフリート・ペルティエ。
昨今アメリカのオケのスト情報ばかりお伝えしている「おかか1968ダイアリー」ですが、カナダ・ケベック州のモントリオール交響楽団(以下OSM)も労使交渉中だそうです。こちらでは楽団員側が2回のリハーサルを拒否し、今後ストライキを行う可能性についても示唆しています。
ソースによると前回の労使契約の際には楽団員側は何よりも当時の音楽監督(シャルル・デュトワのことですね)の交代が先決とし、その代わり賃金の固定を呑んだ経緯があり、今回の交渉では音楽監督がケント・ナガノに交代した後ということで、賃金アップを要求しています。
OSMは支出の中で人件費が占める割合が46%とのことなのですが、経営者側はその要求を受け入れる腹づもりはあるようなのです。ただその条件として運営経費の削減を受け入れることを楽団員側に要求しているということです。これに対しては楽団員側は「楽団の質的低下を招く」として反対しています。
しかし北米のオケが労働条件の改善に腐心していることは別に悪いことではないのですが、個人的に東欧のオケがその優れた技量にも拘わらず恵まれない条件で仕事をしていると耳にしたことがあるもんで、それと比較して北米のオケは恵まれているのは間違いない訳で、国際的な見地に立つと北米のオケはもう少し芸術的向上に配慮して欲しいなあと思うことも無きにしも非ず、といったことでしょうか。