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2004.08.31

面白いコンサートをもっと

 山尾敦史様のblog、今日はかなり飛ばしておりますので、まだご覧になってない方はどうぞ読んでみて下さい。ここではロンドンでのユニークなコンサートの紹介のあと、興味を引くような趣向のコンサートが少なく、なかなかファン層が広がらない日本のクラシック音楽業界の現状を嘆いておられます。
 そうですねぇ、日本のクラシックリスナーって実はけっこう潜在的には多いと思いますよ。というか「潜在的」という言葉を使うのも憚られる位、ファンの存在を感じることは多いです。例えばアマオケのコンサートなんかに時々顔を出すと客席はいつもけっこうぎっしり埋まってますし、日本のプロのオケも(私は熱心なコンサートゴーアーではありませんが)少なくとも私が足を運んだ演奏会はどこでも盛況でしたよ。
 もう少し具体的な数字でいきましょうか。村治佳織は昨年「カヴァティーナ」を164.814枚、「アランフェス協奏曲」も129,177枚売り上げてます。これってすごいでしょ。だって京都出身のロックバンド「くるり」でもアルバム全部合わせて6万枚だもん。業界的には村治佳織>>>>>くるりだよ、これ。というわけで少なくともレコードセールス上は日本でもクラシックは充分一般に受容されている、と言えてしまう勢い。というかもう思い切って言っちゃう。クラシックはウケてる(キッパリ)。
 ただ日本のクラシック音楽の公演形態については山尾様の意見にあるように、演奏家が演奏し、聴衆は黙って聴くだけ、という従来のコンサートスタイルに囚われない多様なコンセプトがもう少しあってもいいと思います。そういう点では来年ゴールデンウィークに東京で開催予定の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」みたいな少し変わった趣向のイベントなんかいいと思います。
 変わった趣向といえば「バトル」の要素をコンサートに取り入れたらいいかも。コンクールも「バトル」ですが、トーナメント形式でピアニストなりアンサンブルを競わせ、判定は観客の手元のボタンを押すという形で行い、支持が多い方が勝ち残る、という「笑いの金メダル」のクラシック版みたいなのはどうでしょう。

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2004.08.28

聴いてますか~、NHK-FM。

 「★てれびまにあ。★」によると今年8月度の10代(12-19才)男子のラジオ聴取率が平均1.2%と前月度より落ち込んでいるそうです。これを新聞の見出し風に解釈すると「若者のラジオ離れが進んでいる」ということになるのでしょうが、全体でこの数字ですからNHK-FM単体だとどんな数字になるのだろう、と考えるだけで背筋が凍る思いがします。私は30代ですが、ウェブログで「NHK-FMを聴いてますよ~」というメッセージを送りたくなったのでNHK-FMの話を。今日は特にクラシック音楽番組のDJについて書いてみたいと思います。

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2004.08.26

クライバー 追悼アイテム発売

 今月発売のクラシック音楽情報誌の表紙は「レコード芸術」も「MOSTLY CLASSIC」もクライバーでしたね。両誌とも多数の評論家の追悼コメントを掲載していましたが、個人的には許光俊氏のものが一番クライバーの演奏の本質を言い当てているような気がします。許氏はこれからもこのようないい文章をどんどん書いて頂きたいものです。この方は時々文章が本題を離れていき、つい余計な他人の悪口を口走る、なんてことが多いのでいつも気になるのですよ。個人的には日本の音楽ライターで随一の「良い耳」の持ち主だと思っているのですが。今日は私の方が横道にそれてしまった(笑)。
 さて、Hayesさんのウェブログで知った情報ですが、私が7/21分のダイアリーで少し触れたクライバーのボロディン「交響曲第2番」が、今度はヘンスラーから再発売されるようです(→hmv.co.jp)。しかも今度はリハーサル付きだそうで(→カップリングが父クライバー指揮の演奏に変更となりました:9/1追記)。、既にMediaphon盤を持ってるファンにも気になる内容となっています。更にはウィーン国立歌劇場の1978年の「カルメン」の映像もDVD化され発売(→hmv.co.jp)されるとの事で、こちらの方もゼッフェレルリの演出と共に楽しみです。
 となるとあとは1986年の来日公演の方もDVD化を是非お願いしたいところですね。これはNHKにまだテープは残って居るのでしょうか。私は個人的に一足早くビデオからDVDにコピーして楽しんでいますが(笑)、何回か見てるともう少しいい音で、しかもいい絵で見てみたい、と欲が出てしまうのですよ。

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2004.08.22

「CLASSICA」 9周年

 この度クラシック音楽ポータルサイト「CLASSICA」が9周年を迎えました。毎日利用させて頂いてる私からも心からの感謝と御礼を申し上げます。
 

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2004.08.21

2004年9月のNHK-FM放送予定

来月のNHK-FMはシュベチンゲン音楽祭からベートーヴェンのピアノソナタを数人で分担して演奏するリサイタルのシリーズ(13日-17日)と、ウィーン芸術週間のシリーズ(27,28,30日)が目玉でしょうか。またラトル指揮の古楽器オケによる「リング」の第1弾「ラインの黄金」(12日)の放送も楽しみです。

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ピアソラのCDの発売状況

 最近自宅に溜まっているビデオをDVD化するべく棚からホコリをかぶったビデオテープを幾つか取り出して見ていたのですが、そんなビデオの中にNHKでオンエアされた「ピアソラのすべて」がありました。この番組はピアソラ自身のライブ(ミルバとの共演:「エル・タンゴ」)に加えてスアレス・パスやアントニオ・アグリらピアソラゆかりのアーティスト、現代日本を代表するバンドネオン奏者の小松亮太、そしてピアソラ・ブームの一翼を担ったクレーメルの演奏など盛りだくさんの内容でしたが「この番組が放送された頃は猫も杓子もピアソラだったなあ」とビデオを見ながら思っていました。ほんとに様々なジャンルのミュージシャンがピアソラを手がけ、古いのから新作まで多種多様なCDが発売されていましたから、このころは。
 さてピアソラ評論といえば日本ではこの人の右に出る人は居ないと思われる斉藤充正さんのウェブログに最近のピアソラのCDの発売状況が書かれていました。それを見るとピアソラ・ブームの頃に大量に発売されたピアソラのCDのかなりのタイトルが廃盤になっているようです。個人的には「ライブ・イン・ウィーン」(→amazon.co.jp)が廃盤なのが残念です。ここでのピアソラのバンドネオンの妙技は聴き物ですし、「リベルタンゴ」「アディオス・ノニーノ」などの有名どころも収録されていてピアソラ入門用としても最適だったのですが。なおこのライブについては斉藤さんの著書「アストル・ピアソラ 闘うタンゴ」(→amazon.co.jp)でも熱く語られていますが、この本は斉藤さんのピアソラに対する愛と情熱にあふれる筆致で読ませる素晴らしいガイドブックですよ。

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2004.08.15

NHK-FMで「特集 クルト・ワイル!!」

 NHK番組表によりますと今晩7:20から「クラシックだい好き」でクルト・ワイル(ヴァイル)を取り上げてくれるそうです。
 でラインアップを見ると、なかなか面白い。ウテ・レンパーの「三文オペラ」はいいとして、アサートン指揮のDG盤から「アラバマ・ソング」をフィリップ・ラングリッジの歌唱ですか。他にもたくさんの人が歌ってるのに、なんでこれなんだろう。テレサ・ストラータスも取り上げてるけど、「七つの大罪」よりも「知られざるクルト・ワイル」(→amazon.com)の中の曲の方が面白いよ。特に「石油ソング」。これは特定企業をこき下ろした歌詞なので、民放では絶対流せないだろうなあ。「シェル!シェル!!シェル!!!」って(←ネタバレ風)。それからオッターもいいんだけど、何か足りないんだよね。何でロッテ・レーニャ、ギゼラ・マイ、それからミルバは取り上げないんだろう。コメンテーターの嗜好なのかなあ。変わりに僭越ながら私が彼女たちのCDを紹介してみます。

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@niftyの「国別メダル数一覧」なんですけど

メダルの所にリンクを付けて、誰が、どの競技で取ったか分かるようにするとよりいいと思います。これね、アテネ・オリンピックのメダル表。メダルが一目瞭然で分かり易いんですけどね。
(本当は1号店で書くネタなんだけど、こっちに書いた方が@niftyにも見て貰えるかなあと思って)

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2004.08.12

カラヤンゆかりの品がオークションに!?

 「The Archives of Herbert von Karajan」によると、20世紀の名指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが来日時にNHKから贈られた品、との但し書きのついた商品がドイツのeBayでオークションに掛けられているそうです。
 その品物の写真がこれ↓
Karajan-Tower02.jpg

五重塔…

 何とまあオリエンタルなものを…。
 しかしなんかアヤシイので、とりあえず説明文を英訳して読んでみると、

 「提供者によると、この彫刻はヘルベルト・フォン・カラヤンがNHK広島交響楽団から1966年に譲り受けたもので…」

 ん、広島にNHKのオケってあったっけ?更に読み進めてみる。

 「…それを証明するものは現在は紛失しているが、当時カラヤンがこのオーケストラと共演していたことはインターネットで調べれば証明可能…」

 証拠写真も何もないのか。インターネットでググったらわかるって書いてあるからそうしてみようか。

「herbert von karajan NHK hiroshima orchestra」での検索結果

そんな証拠になるようなカキコはなさそうだ。何か写真が何枚かあるのでクリックすると

Karajan-Tower03.jpg

↑確かに「1966 NHK HIROSHIMA」て書いてある。でもNHKのロゴがなんか実際と違うような気がする。なんか信用できないので、出品者の評価を見ると「どちらでもない 悪い」の評価が多いよ(笑)。

 というわけで私は手を出しませんが、興味を持たれた方はどうでしょうか?「坂本くん」は責任は負いかねますが(笑)。


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2004.08.11

【レビュー】シェイナ&チェコ・フィルの「わが祖国」

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スメタナ/連作交響詩「わが祖国」
演奏:カレル・シェイナ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 チェコのオーケストラの特徴を言葉で表すとどんな感じになるのでしょう。小生の独断を許して頂けるなら、丁寧かつ克明に一音一音をはっきりと表現する弦楽合奏に合わせて、黄金色に輝くようなフルートやトランペット、そして独特の響きを持つその他の管楽器が自己主張をしながら彩りを添える、といった感じでしょうか。もっと一言でいうと「強靱かつ精密」という感じ。「精密」(「緻密」でもいいか)と強調する理由は、一度生でプラハ交響楽団を聴いた時にドヴォルザークの弦(特にチェロ・パート)に特有の細かいパッセージを明瞭かつ力強く弾ききってしまう力量に目を見張ったからなのですが。最近NHK-FMでもチェコの管弦楽団のライブ放送をけっこう取り上げてくれた(NHKにチェコ好きなスタッフがいるのかな?)ので、私も存分に楽しんでおりました。
 さてそんなイメージのオケの代表格といえるチェコ・フィルですが、以前から名録音として知られていたシェイナ指揮による「わが祖国」が日本でもオリジナルジャケットで再発売されたので聴いてみましたが、噂に違わぬ名演奏ですよこれは。

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2004.08.08

【レビュー】アバド&ルツェルン祝祭管のマーラーとドビュッシー

AbbadoLucerne.jpeg


1.ドビュッシー/交響詩「海」
2.マーラー/交響曲第2番「復活」
演奏:エテリ・グヴァザヴァ(ソプラノ)アンナ・ラーション(メゾソプラノ)オルフェオン・ドノスティアラ合唱団/ルツェルン祝祭管弦楽団
指揮:クラウディオ・アバド
 
  クラウディオ・アバドが指揮するルツェルン祝祭管の演奏会はドビュッシーの「海」などがラジオでオンエアされ(→その時の小生のコメント)、マーラーの「復活」も最近BS2で放送されました。そんな中この2曲のライブの模様がCD化されました。これらのライブは既にエアチェックしていたため手許にはあったのですが、ここで聴かれるルツェルン祝祭管のクオリティの高さには舌を巻いたので、このコンビのCDでも買って対価を支払おうとは思ってました。結局私は某黄色いCD店のポイント(3000円相当)を利用して入手しましたが(笑)。

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2004.08.06

今年の「一万人の第九」

 毎年恒例の「一万人の第九」が今年も12月5日に大阪城ホールで開催されます。最近はゲストとして森山直太朗や平井堅が出演したこともあり朝の情報番組でも取り上げられるようになり、クラシック音楽に興味のない人にもご存じの方は多いと思います。
 ところで「ubiquitous」によると「一万人の第九」の参加費が2002年は2000円だったのが昨年は3000円、そして今年は5000円とこの3年で2.5倍になっているそうです。これは財政上の問題が背景にあると思われますが、確かに主催者側から収支明細の公表をするなどの説明があれば嬉しいですね。私の勝手な推測ですが、おそらく指揮者のギャラが結構高いのでしょうね。

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2004.08.02

【レビュー】ラトル&バーミンガム市響のハイドン

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1.ハイドン/交響曲第22番変ホ長調「哲学者」
2.同/交響曲第102番変ロ長調
3.同/交響曲第86番ニ長調

 ラトルはハイドンの交響曲をレパートリーにしている、といっていいでしょう。私もよくラジオで彼のハイドンを聴きましたが、それは何れも欧州大陸のオケに客演したときのもので、快活で聴いていて楽しい演奏だった印象があります。でそんなラトルがバーミンガム市響と録音したCDをヤフオクで見かけたので落札して聴いてみましたが、正直驚きました。

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【レビュー】アリス・紗良・オットのデビュー盤

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1.リスト/パガニーニ大練習曲S.141
2.同/コンソレーション(慰め)S.172
3.同/ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調S.244-2

 先日紹介した彼女のデビュー盤、私も通販業者にオーダーしていたのですが、無事手元に届きましたので早速聴いてみました。
 収録曲中「パガニーニ大練習曲」と「ハンガリー狂詩曲第2番」はこのあいだのNHKのスタジオ録音の放送でも取り上げられてましたが、その時と比べて旋律の表現が自然で滑らかになり、風格と落ち着きが出てきた、と思いました。NHK登場時は確かにテクニックには目を見張りましたが、解釈面ではもう少し先輩の先生のご指導が必要と思う場面も多々ありましたから。私が言うのは失礼かもわかりませんが、随分成長したな、というのが素直な感想です。強いていうと「ラ・カンパネラ」や「ハンガリー狂詩曲」での2オクターブの跳躍の音型の処理にもう少し柔らかさがあれば言うこと無しなのですが、短期間でこれだけ表現力が豊かになったわけですから、彼女は更なる精進の期待が持てる存在だと思います。次の演奏がどんな風になるか楽しみです。

(ram: ram 50402)

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2004.08.01

演出家のビエイト氏がまた…

ソース:英語)
 7/9日にビエイト演出による「後宮よりの誘拐」にまつわるスキャンダルについてコメントしましたが、この当事者のビエイト氏、この8月にエディンバラ芸術祭で上演予定の「トロヴァトーレ」の演出を担当しているのですが、このプロダクションについて「生々しい描写がある」と事前に主催者よりの発表が出ています。関係者によると「血ノリが舞台を覆い、拷問シーンが展開される」とか。果てには男性の生殖器を切り刻む場面もあるそうです。
 ここまで来ると確信犯ですね。もしこの公演をご覧になる予定の方はくれぐれもご留意を。
 しかしなんかこのウェブログ、オペラのスキャンダルばかり紹介してますなあ(笑)。

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