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2004.06.26

【レビュー】湯浅譲二 美しいこどものうた

cd0013.gif

(演奏)平松英子(ソプラノ)、中川賢一(ピアノ)

 尾高賞作曲家でもある湯浅譲二が「おかあさんといっしょ」などの幼児番組のために作曲したシンプルでメロディアスな小品集をオペラ歌手の平松英子はベルカント唱法で歌い上げているが、その歌い方は殊の外自然な感じがする。日本語の歌詞を大事にし分かりやすく歌っているその姿勢に好感が持てる。そしてその声質自体も柔らかくて耳に優しい。収録曲中で一番有名なのは「はしれちょうとっきゅう(走れ超特急)」だろう。というかこの曲が湯浅先生作というのは初めて知ったが、この曲でも声高になることなく優しく歌ってくれるので取っつきやすいのが良い。
 このCDを聴くとどうしても昔から日本語の歌曲にこだわりをみせる藍川由美と比較してしまうのだが、藍川さんが鋭角的で時に激しくえぐるような解釈をするのに対し平松さんのは優美で「うた」の良さを素直に伝えている。聞きやすいのは明らかに平松さんのほうだ。同様の趣旨のアルバムではルチア・ポップの「ドイツの子供の歌と子守歌」(→amazon.co.jp)があるが、こちらはドイツ語でオペラアリアのように朗々と歌われるので聴いててお腹いっぱいになるが(これはこれでいいのだが)、それと比較しても平松英子の自然な歌唱は印象的。
(備考)このCDは扱っているお店が限られている。発売元のミュージックスケイプで購入するのがいいだろう。私は通販の「アリアCD」で購入したが、要会員登録(有料)なのでご留意を。
(MusicScape, MSCD-0013)

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2004.06.24

オペラの主役交代の原因は体型

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(写真)今回の悲劇の主人公の某ソプラノ歌手が「ナクソス島のアリアドネ」のアリアドネに扮している所

 今日の「おかか1968」ダイアリーは不適切な表現込みでお送りします(笑)ので予めご了承下さい。
最近のオペラは演出家の嗜好を反映してか、声質だけではなく容姿も役柄を反映した選択をする事が増え、「アザラシとトドの愛の二重唱」的な状況を避ける傾向が少なからず認められますが、そんな中ソプラノ歌手の(プライバシーを尊重して伏せ字にさせて頂きますが)○ボラ・ヴ○イ○さんが、その豊満な体型を理由にコヴェント・ガーデン・オペラ「ナクソス島のアリアドネ」のタイトルロールを降板させられたそうです。可哀想なデ○ラ・○ォ○トさんの代役となったのはこの11月ラトル指揮の「フィデリオ」でレオノーレ役で来日する(9/7追記:来日中止になりました)アンネ・シュヴァーネヴィルムスさんですが、彼女は「こんなことが実際に起こったらあまり良い感じはしないでしょうね」とヴ○○トさんに同情しつつ「オペラハウスには何か特別なものを見るために来るのだから。もしそうでなければ家でCDを聴いてればいいわけだし」「格好良い人々が舞台に立つのを見ることで良い気分になる場合もありますから」と強気な発言(笑)をされてます。一方のデ○ラさん(いい加減しつこいですね)は「(コヴェント・ガーデンには)かなり失望した」と落胆の色を隠さない様子。
当事者に対して誠に不謹慎で申し訳ないのですが、このニュースをBBCで見たとき、私が心の中で妙に納得してしまったのは事実です。ただこうやって公に出てしまうとあまりいい気はしませんが。昔マリア・カラスは寄生虫でダイエットに成功し、あのような美形になったというのは有名な話ですが、より良い仕事にありつくには声以外にも努力する必要があるのかもしれません、と我が三段腹を見ながら思う夏の夕暮れ(笑)。

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2004.06.22

現代音楽受難時代?

ソース
 ロンドンの吹奏楽団The Brighouse and Rastrick Brass Bandがコンサートでノルウェーの現代作曲家の作品を演奏し始めたところ、お客さんがゾロゾロと帰りはじめたため、指揮者が観客に向かって「この音楽は皆さんの好みには合わなかったようです」とアナウンスし、次に予定されていた現代音楽作品の演奏をするのを止めたそうです。
 「ダルムシュタット現代音楽セミナー」とか「ケルン電子音楽スタジオ」とかがリスペクトの対象となっていた現代音楽華やかなりし頃でしたら、いくらブーイングを浴びても、いくらお客さんが退席しても、予定の曲目は確実に消化していたでしょうが。まあ聴衆の反応を伺いながら曲目を変更するというのはアリでしょう。
 私は「現代音楽撲滅委員会」の会員ではないことを強調した上でコメントさせて頂きますが、無調の現代作品を通俗名曲の前に演奏する演奏家は、ポリーニとかラトルとか結構多いと思いますが、これってどう思います?こういうルーブル宮のど真ん中にガラス張りのピラミットをドカン!的なハイブリッドなプログラミングは芸術的な整合性はあるのか、私には疑問です。もしするとしてもシューベルトの交響曲の前にベリオの「レンダリング」を演奏するという風な整合性、関連性があるものに限定すべきではないかと。まあ不協和音を聞きたくない人に無理を強いるようなプログラミングに疑問を呈しているだけなんですけど。現代音楽についてはちゃんと固定ファンがいるし、それだけで演奏会をして頂けたらと。そんな私はアイヴスの交響曲第4番が好きです(笑)。

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2004.06.21

夏の音楽祭ツアー

 皆様の夏のご予定は如何ですか?私は今年は蓄財のため海外旅行は自粛し、「安、近、短」で行こうかと思ってますが。ただ経済的、日程的余裕があれば欧州の夏の音楽祭なんかいいなあと思ったりもすることもあります。
 しかしザルツブルグ音楽祭のような人気の音楽祭なんてプログラムが発表された時点で即申し込みしないと行けないよ、公式サイトを覗くと面白そー、でももうチケットないんだろうなあ、と思っている方々はJTBのライブツアーは如何でしょうか。別料金だけどチケットが既に確保されているというのが便利。

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2004.06.18

第14回ロベルト・シューマン・コンクール

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 2chにはいろんなスレがありますが、クラシック板に「鈴木弘尚(写真)スレ」というのがあります。鈴木氏は今年の第5回浜松ピアノコンクールに入賞したピアニストなのですが、2chにも自ら積極的にカキコし、「格闘技板にも出没します」と意外な趣味も披露したりしています。
 そんな鈴木氏が自らのスレで「第14回ロベルト・シューマン国際ピアノコンクール」(ツピカウ)に参加したことを報告し、経過をまめにカキコしてます。スレ中鈴木氏本人と推測されるのはスレ#337,#347,#356,#359,#361,#370,#398です。これによると6人が選ばれる本選に進出したものの、3位入選はかなわなかったようです。残念!なお優勝はやはり日本人の山本亜希子さんでした。おめでとうございます。
<追記<6/21)>
今山本亜希子さんの画像を拝見しました。これから応援していいですか?(笑)

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2004.06.17

【レビュー】グッドールのブルックナー第7番

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1.ブルックナー/交響曲第7番ホ長調
2.ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
演奏:サー・レジナルド・グッドール指揮BBC交響楽団(1)イングリッシュ・ナショナル・オペラ管(2)

 私はCD店の視聴機に弱い。この間も大阪の某黄色い店でヒリアード・アンサンブルの「ギョーム・ド・マショー/モテット集」(→amazon.com)を視聴機でぶっ続けで聴いて、結局レジに持っていくハメになったが、その店で丁度その時かかってたのがこのサー・レジナルド・グッドール指揮のブルックナーの「第7番」で、それを耳にするうちに何となく気に入り、結局コレも購入してしまった。
 第1楽章冒頭から柔らかな響きに耳を奪われる。最近よく聴かれるブルックナーではもう少し鋭い響きがするので、初耳の方はちょっと戸惑うかもしれない。だがこのソフトさが耳に優しいので好印象を与える。ブルックナーの一般的な演奏では先ず圧倒的音量、響きの壮麗さ、それからフォルテとピアノを行ったり来たりする起伏の激しさなどが耳に残るが、この演奏はメリハリ感を強調することはなく、その一方でスムーズな旋律のフレージングを優先させ、決して声高ではないが旋律(やその対旋律)を素直に歌わせることに腐心している。冒頭のチェロの有名な旋律でもそうだし、第2楽章の葬送行進曲でもそうだ。ワーグナー・チューバ四重奏に続く弦のアンサンブル(4小節目~)が力まずに優しく気品を持って演奏され、その後の旋律へとスムーズに続いていく、その流れがここでは適切で快く感じられる。第3楽章のトリオでヴァイオリンが簡素ではあるが息の長い旋律を優美に歌い上げているのは見事。指揮者、演奏者がこの部分にかなりこだわっていたのではないかと思わせるくらい好ましい。これらの旋律の扱いはこの曲をにロマンティックな彩りを与えている。それからブルックナーの作品は楽想の変化が激しいため、良くない演奏だとあまり流れを感じずブツ切れみたいに聞こえてしまうのだが、グッドールの演奏はその辺の流れ、曲全体のバランスにも配慮して音量やテンポをコントロールしている。その結果この曲の劇的性格が自ずと浮かび上がってくる。余白の「マイスタージンガー」ではそういうロマン的な解釈が更に推し進められていて、独特の節回しやフレージングが心に迫ってくる。
 総じて独特の妙味を持ったグッドールの演奏は押しつけがましいところがなく魅力的で、聴き疲れのしないもの。ヴァントやチェリのブルックナーは造形的で立派だけど聴いてて疲れる、と感じる方には特におすすめ。録音は想像以上に良く、ブルックナーの響きが充分楽しめる。

(BBC Legends,BBCL41472;ASIN:B00023P43S)

<追記>ちなみに今回グッドールとヒリアード・アンサンブルを買った店でリーズ・ドゥ・ラ・サールのCDの日本語解説付き国内盤(KDC 5006 2180)が売ってました。皆さんも良かったら買ってみて下さい(笑)。そのクオリティの高さに正直ビックリしますよ!

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2004.06.10

晩年のカラヤン

 晩年のカラヤンのライブCDに対して熱のこもった好意的な批評をネットで見かけた。ただこの批評をカラヤンの演奏を知らない者が読むと彼のことを「有名な割に打率の悪い指揮者」と思ってしまうのではないかといささかの危惧を抱く。
 

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2004.06.06

くしゃみ

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 今日は地元のアマチュアオケのコンサートにカミさんと行ってきました。そこではシューベルトの「未完成」の第3楽章が聴けるという貴重な体験をしましたが、それはともかく、今日は雨が降ったりして結構肌寒い日だったのですが、会場の空調が効きすぎていて、となりのご婦人方は「関節が痛むわー」という程でした。で私も演奏中に急に鼻がむずむずして来て、くしゃみを我慢するのが大変でした。丁度そのときはモーツァルトのクラリネット協奏曲だったのですが、なかなか合奏がフォルテにならないので都合3,4分間そのタイミングを待ってました。それでようやく落ち着いたと思ったら今度はノドがムズムズ…。しかも曲は静かな第2楽章に入っちゃったので、どうしようかと冷や冷やでしたよ。どうにか耐えてる内にノドの具合も良くなりましたが。
 まあ今日はそれだけなんですが(笑)。音を立てるのはクラシックの演奏会の場合、特に気を遣いますからね。
(なお写真とうちのカミさんは無関係です(笑))

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2004.06.05

【レビュー】バルビローリ&ベルリン・フィルのマーラー/交響曲第3番

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1.マーラー/交響曲第3番ニ短調
2.バルビローリ/エリザベス朝の組曲
演奏:ラクレティア・ウェスト(アルト)(1)聖ヘドヴィヒ合唱団(1)サー・ジョン・バルビローリ指揮ベルリン・フィル

 テスタメントからのバルビローリ&ベルリン・フィルのマーラーシリーズ第3弾。先ず録音状態について。ステレオ録音だが既出の「第2番」「第6番」よりも録音に明晰さが欠ける。というわけでマーラーの「第3番」を初めて聴く方には素直にお奨め出来ません。ベルディーニ盤(EMI)やバーンスタイン盤(DG)などの録音の良い名盤を先ず聴きましょう(ホントはアバド&ウィーン・フィル盤(DG)も薦めたいけど、録音は上記2種より落ちる)。「音が悪くても聴いてみたい」という方のみどうぞ。
 さて冒頭のホルンの音の悪さにやや興ざめしながらも、「それでも構わないや」と我慢して音に身を任せてみたが、これは何ともロマンティックな「第3番」だ。これほど甘美な表現の演奏の「第3番」は初めて聴いた。第1楽章の展開部のヴァイオリン・ソロとそれに続くチェロ独奏の辺りは非常に愛らしい部分だが、ここの辺りではすごくテンポがゆっくりで旋律がなんとも艶めかしくて、ポルタメントも感情的でグッと来る。第2楽章はそれに輪をかけて甘美である。ここまで感傷的になって初めてこの楽章が魅力を放ってくれたような気がする。第3楽章のポストホルンはすごくチープな響きだが、それがいつも以上に哀感を感じさせる。その後の第4楽章、第5楽章も濃厚かつ素直な表現で素敵だ。最終楽章は(これは以前発売されていたハレ管との録音でもそうだったが)最近の平均より演奏時間は短いのだが、旋律を歌わせることに専念させたバルビローリの演奏は聴いていてすごく引き込まれる。特にベルリン・フィルの弦楽器群が濃厚かつ充実した響きで魅了する。最後まで甘美な表現を前面に押し出したこの演奏は(その録音を我慢できれば)独自の表現を持つという意味で貴重である。前述のベルティーニのオケの響きの魅力も素晴らしいが、バルビローリの演奏のような甘美さの方が私には魅力的だ。
(Testament SBT21350, ASIN:B0002CH7M0)

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